早稲田大学実践起業インターンREAL

早稲田大学とビジネスバンクグループが共同で実施する「実践起業インターンプログラム」です。

早稲田大学実践起業インターンREALとは?

早稲田大学×株式会社ビジネスバンクグループによる

実践的な起業プログラムがスタートしました。

 

 

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その名も

早稲田大学実践起業インターンREAL」

 

 

2018年10月から、

1年間を通して、

3つのアイデアを事業化していきます。

 

この3つのアイデアは、

半年間の選抜を突破してきたアイデア

 

「ビジネスアイデアデザイン」

「起業の技術」

という2つの授業で

学んできたものを結集し、

ビジネスプランを完成。

 

18チーム対抗のコンペで

上位になった3チームのビジネスプランを

事業化していきます!

 

選ばれたメンバーは本気で事業化に向けて、

マーケティング・営業・開発を取り組んでいます。

 

イデアから、事業運営まで

学生が主体になって行うインターンプログラム

形式上は、ビジネスバンクグループの3つの事業部として

事業化していきます。

 

ビジネスバンクグループの担当として、

わたくし野田は、

全チームの顧問として、

一緒に事業化を目指しています。

 

これから、事業の収益化を目指して取り組んでいきますので、

ご声援をよろしくお願いいたします!!

 

各事業部の詳細に関しては、

これからご紹介していきますので、

お楽しみに!!!

 

 

担当:野田 拓志

ブログリレー第12回(最終回)  ぶっちゃけ、実践起業インターンREALってどうなの?

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ここまで11日間連続投稿してきました「ブログリレー」も最終日です。
最終日は、この実践起業インターンREALの学生サポートをしていた
株式会社ビジネスバンクグループ 野田拓志が僭越ながら書かせていただきます。


早稲田大学の学生達と行ってきた実践起業インターンREALを改めて振り返ると、
1年半にも及ぶかなり長期プロジェクトだったことに改めて驚きます。

大きく分けると、3つのパートに分かれます。
学生による、 ①アイデア発想 ②事業計画づくり ③1年間の事業化(インターン) 。

まず先に1年半の結果をお伝えすると、
【3チームとも黒字化できた】のは本当に良かったです。
もちろん大きな売上が立ったわけではないものの、
「自分たちが使った分のお金は世の中から稼ぐことができた。」ということは
起業における大きな1歩なのではないかと思っております。

以前、東洋経済オンライン様に取材いただいた記事にもプロジェクトの詳細がありますので、そちらもぜひ御覧ください。

toyokeizai.net



さて、まえがきが長くなりましたが、
本日は下記の5つについて振り返ってみます。

 

 


①はじまりはビジネスアイデアデザイン(BID)

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すべてのはじまりは、2018年の4月。
「ビジネスアイデアデザイン(BID)」の授業。

この授業では、2ヶ月間で各チームが8つのビジネスアイデア発想法を学びながら、
自分がやってみたいと思うビジネスアイデアを見てけていくプログラムです。

自分の内側・自分の外側・過去・未来と色々な切り口で発想方法をお伝えするので、アイデアは様々なものが出てきます。
その中でも、筋が良いアイデアは、やはり自分自身で経験があったり、知識があるもの。お客さんのイメージも明確だし、 販売のイメージも見えているものです。

ただ、多くの学生がハマる罠が1つあります。それはアイデアの生みの親は、結構、意固地になってしまうということです。 意固地というよりは頑固で、外からの改善のヒントやアドバイスをあまり受け付けない状況があります。アイデア段階だからこそ、組み合わせてさらに昇華させていくことをトライしてほしいとも思います。

 

 

②起業の技術での事業計画化

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ビジネスアイデアデザイン(BID)終了後、次の2ヶ月で行っていくのは、「事業計画」をつくっていくこと。それを「起業の技術」という授業で行っていきます。
 
起業・経営は部分最適ではなく、全体最適で物事を見ていかなければいけません。 そのために、「経営の12分野」を通して、経営の方針を立てていきます。その際に見ていくポイントは3つ。「商品力、営業力、管理力」の3つの力が経営をつくっていく。
 
経営の3つの力は各下記要素で構成されている。 
3つの力×4要素=12分野。 
【商品力】 ミッション・商品力の29cuts・ポジショニング・ブランディング 
【営業力】 集客力・見込客フォロー・サイレントセールス・CLVマネジメント 
【管理力】 経理・財務・チームビルディング・仕組み化・投資とリスクマネジメント
 

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0から起業する時は、商品力と営業力の2つがポイント。 まずは、商品と営業を磨いて、お客様に価値を届けることを目指していきます。これができないと何も始まらない。考えているだけでもダメなので、発表の機会を設けて、学生には伝えるということを意識して行っていただきます。
 
ただ、まだまだここでも、事業計画段階なので、 【あくまでも仮説】です。仮説を立てて検証する。そのスタートに立ったまで。ここからの1年が「起業の理想」と「起業の現実」を思い知るフェーズです。

 

③実践起業インターンREALが始まってからは0スタートだと思ったほうが良い(自戒の念を込めて)

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ここまで、4ヶ月をかけて、アイデアを選りすぐり、事業計画をまとめてきました。晴れてここから自分の考えてきたものを形にするフェーズです。リスクは弊社が持つため、学生たちは補助輪をしながら起業に取り組めます。(私が学生時代にこんなプログラムがあったら絶対やっていますね)

 

4ヶ月間入念に準備を重ねてきたものの、いざ自分たちが頭で考えてきたものを行動に移す、形にするために動こうとしてもなかなかうまくいきません。
なぜなら、計画に対して時間軸が入っていないからです。ここでまず大きな壁にぶつかります。頭では数日でできると思っていても、実際は何日もかかってしまった。または、アルバイトや別の授業が忙しくて、起業どころではない。。。そういうタイムマネジメントの壁にぶつかります。

 

だからこそ、改めて、優先順位の確認です。


・何のために、この実践起業インターンREALを行うのか?
・今から行おうとするチームのミッションは?
・この事業で目指す未来は、メンバー個人にとってどうメリットがあるのか?


などをチームごとすり合わせることが必要になります。

 

 

④学生のメンタルブロックすごい

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事業化に向けてスタートするものの、また別の壁にぶつかり、事業が進まなくなります。


それは、学生が抱えている様々な「メンタルブロック」です。

 

外から見ていて感じたものでいうと、、、


・社会人の人にメールしてもいいのかな?ご迷惑にならないかな?
・友人に商品やサービスの話をしたら嫌われないかな?
・お金の話は嫌がられるんじゃないかな?
・電話するのこわいな・・・
・事業の提案させてください!は直接すぎるからインタビューさせてくださいがよいかな・・
・お電話やメールは、相手の時間を奪ってしまわないかな? etc.

 

切りがないので、これくらいにしますが、、、笑
社会人になると鈍感になるのか、
学生たちは思ったよりも周りを気にしすぎておりました。

そもそも相手がよくなるためのビジネスアイデアを考え、
形にしていこうと動いているので、
【もっと自信をもっていいんだよ!】とお伝えしたい日々でした。

このメンタルブロックで短いチームで1ヶ月間、長いチームで4ヶ月間、時間が奪われましたね。笑

 

 

⑤黒字化するのもやっと、、でも1年での学生達の全てがレベルアップ、どこに出しても恥ずかしくないです!

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本当にバッサリと途中経過と詳細は割愛しますが、、笑

毎週1つ1つの案件詳細の確認なども含めて事業を進捗させていくことで、1歩1歩学生たちとは一緒に進んできました。

最初にお伝えしたように、今回参加した【3チームはすべて黒字化】することができました!!(パチパチパチ)

ただし、これは、学生の人件費を入れずに実施したものです。(もちろん大学との協力インターンですので、人件費は発生しません)もし、発生したと考えるとゾッとします。


それよりも注目してほしい部分は、3チームとも自分たちが1年間で使った費用以上はしっかりと稼いだということです。

つまり、「何者でもなかった1年前」、"たった1年"経つことで、
その分野の専門家として周りの方から認められ、
お金をもらえることができるところまで来ているのです。

震えますよね!これが、0→1の面白みですよね。笑

この1年間でお金を稼ぐという点では、
まだまだ成果に繋がらなかったものの、
学生1人1人の「人としての成長」
ものすごく成果が出ているのではないかと思っております。

今回参加してくれた学生たちはきっと
自分で考え、問題を見つけ、動いて、解決する力をつけてくれました。

現在、問題・課題発見能力がある人材が少なくなっていると嘆かれています。
そんな世の中だからこそ、今回参加してくださったメンバーは自らの力をいかんなく発揮して、
世の中を良くすることに貢献してもらえたら嬉しいなと思っております。

最後に、このプロジェクトが、学生たちにとってREAL(世の中)を
少しでも理解してもらえるキッカケになっていたら幸いです。
ありがとうございました!

 

本日のライター

野田 拓志 (ノダ ヒロシ)

株式会社ビジネスバンクグループ 経営コンサルタント

twitterhttps://twitter.com/hinokagi
Facebookhttps://www.facebook.com/hiroshi.noda.14

ブログリレー第11回 2度目の挑戦で見えた3つの失態

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 こんにちは。第11回目のブログリレーを務めさせていただきます、INNOVATORS' GUILD事業部の武田です。

 さて、前回の川上に引き続きこの一年間の事業の振り返りをさせていただこうと思います。事業立ち上げ前半に関する部分は川上がある程度まとめてくれたので、私は後半の部分で直面した課題などを中心にまとめさせていただこうと考えております。

 私たちの事業部では、こちらの「INNOVATORS' GUILD」というサービスの立ち上げを目指して活動させていただき、僭越ながら私自身が代表として旗振り役を担当いたしました。立ち上げは想像を絶する厳しさではありましたが、学ばせていただくことも多くありましたので、この機会に「3つの失態」という観点からまとめさせていただこうと考えております。

 

 稚拙な文章になるかとは思いますが、お付き合いいただければ幸甚に存じます。

 

後期に行っていた事業について

 事業の振り返りの前に、実際にどんな事業の運営をしていたのか、簡単にご紹介させてください。

description

 後期の事業は川上が紹介してくれた前期の事業からピボットした「新米エンジニアの教育事業」でした。具体的にはエンジニアになりたいという方と一緒にチーム開発をしながら一緒に成長していこう、という事業です。エンジニアが個人で学習するサービスは増えていますが、チームでの開発を学ぶ場所は整備されていません。前期のプランでは「そもそもエンジニアが足りない」という壁にぶち当たったので、「それならエンジニアの育成から始めよう」という発想でビジネスプランをピボットすることにしました。

 さて、ではここから本題となる「3つの失態」についてお話していきます。

新規事業立ち上げ 3つの失態

 信頼関係構築における失敗

 ここが最大の失敗といえると思います。通年の問題にはなっていたのですが、私のチームには「各個人が各個人の裁量の下で成果を出す」というある種の社内文化がありました。これは私自身が「成果を出してくれていれば、各員が好む方法で活動すればよい」と考えていたことに起因するものと考えています。

 しかし、この方法では「何かの指示に従って行動したほうが成果を出せる」というタイプの方々の力を引き出すことができず、仕事について「これやっておいて」という丸投げに近い印象を与えてしまうことにつながりました。また、方向性がずれていた時に取り返しのつかない問題が生じる危険性もあります。

 加えて、メンバー間での自己開示が他のチームに比べて圧倒的に少なかったと思います。ほかのチームが親睦会等を行う中、私のチームは親睦会どころか、チーム全体で行動することすら少ない状況でした。そのような状態ではチームメンバーが何を目指し、何のために活動しているのかが全く分かりません。

 この結果、私たちのチームは全チームの中で最も多くの離脱者を出してしまうこととなりました。1年間最後まで残って事業の運営にかかわってくれたのは私を含めた3人、そしてその共通点は、この事業を始める以前からお互いに面識と信頼関係があったということでした。事業の成果を上げるためには、活動計画云々以前にその信頼関係の構築が必要不可欠であると反省しています。

 

情報共有の不足

 この失敗に端を発する問題が、後半の事業運営における最大のボトルネックとなってしまいました。これについては実際に致命的ともいえる事態を招いてしまったので、実例を交えて振り返っていきたいと思います。

 事業運営の後半ではマーケティングや見込み客フォローを見直し、柱としてTwitterアカウントの運用を新規に加入してくれたメンバーにフロントの部分を任せることにしました。当初は急激な勢いでアカウントが成長し、フォロワー数はすぐに3桁を突破。最終席には800人を超える方がフォローしてくださいました。それに合わせてLPを設計、流入数もコンバージョンを考えれば上々といえる数値でした。しかし、後が続きません。事前登録という形で登録してくださったユーザーが実際の理由を渋る事態が発生しました。ですが、当時私はサービスのβ版のテスト運用で手いっぱいで、鯨飲の究明に入ることができませんでした。運用を担当してくれていたメンバーに確認をとっても有益な回答を得ることはできませんでした。

 結局原因はそのTwitterのアカウントを直接確認することによって発覚しました。それは「想定していたユーザーと集まってきたユーザーの乖離」です。そもそも私はTwitter自体をあまり使っていなかったので、Twitterアナリティクスを使って数値だけを追っていました。しかし、これではどんなユーザーが集まっているかまでは確認することができません。実際に集まってきてくれたユーザーは、私たちが提供しているサービスに対してハードルを非常に高く感じてしまい、サービスのご利用につながらなかったのです。

 端的には「導線の設計ミス」のように見えますが、根本的な問題は「担当者との情報共有の不足」にあることは明白です。新しく加入してくれた担当者に対して、「ペルソナはこんな人で、このような情報を好むと思うから、それを加味した情報を発信してほしい」と明確にお願いできていればこの事態は避けられたと思います。前述した信頼関係構築の失敗と合わせて、事業運営に亀裂を入れてしまった大きな要因でした。

 今回Twitterを運用してくれた担当者の方は、結局チームを去りました。決して彼に能力がなかったわけではありません。必要な情報開示のできなかった私にこそ責任がありました。

 

自分自身の精神的弱さ

 極めつけがこれです。今後のために明かしてしまうと、事業の運営が後半に差し掛かった時、その過程で「これはうまく回らない」と感じることが増えてきました。当時、事業部の旗振り役と同時にβ版の開発チームのリーダーも務めていましたが、実際のところはどれもうまく回っていませんでした。先に上げた集客の問題をはじめ、β版の開発もバグと修正の嵐。最終的にはチームで開発した部分をすべて捨てて、一人でアプリケーションを作り直すことになってしまいました。アプリケーションの作り直しは本当につらかったのですが、事業の運営そのものとどちらが厳しかったのかと聞かれると答えに詰まります。

 正直なところ、このような状況に陥った時にどのような対応をすればよいのか、今でも答えは出ていません。しかし、当時の私はもっとも愚劣で卑しい選択である「立ち止まる」「保留する」という方向に流れてしまったと反省しています。どんな形であれ事業に正面から向き合い、「戦い続ける」という姿勢が私には欠けていました。

 

新規事業立ち上げを推進する中で感じたこと

 実は私自身、この事業の立ち上げは初めての経験ではありませんでした。高校時代に友人と開発した文化祭の情報提供アプリの事業化に向けて奔走したのが初めての経験です。当時は営業の方法から見込み客フォローの設計まで、その何もかもを知らない状態でした。当然事業は失敗、本当につらい思いをしましたし、ものすごくやつれました。

 今回の事業では立ち上げのための技術的な部分を再度学びなおしての挑戦だったので、失敗の質としてはより高いものになったと思います。顧客フォローの設計や売り上げ予測しかり、システム開発もその一つです。ですが、多くのことを学んだことで、自分自身の本質的な弱さにも目を向けることを迫られることになりました。確実に言えることは少なくともこの事業の立ち上げを通じて、「起業家を志すもの」としては幾分か前に進めたということです。

 有益な情報をあまりご提供できないことは心苦しく思っております。しかしながら、「敗軍の将は兵を語らず」というように、私から偉そうにいえることはありません。この経験も次の挑戦の糧として、さらなる事業の立ち上げを目指したいと考えています。ここまでお読みいただいた皆様には「こんな失敗をした人間もいるのか」程度に思っていただければ幸いです。

 

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

~今回のライター~

早稲田大学商学部3年 武田政和

 

学生生活で打ち込んできたものは「キーボード」という灰色(#4d4d4d)の青春を送ってきた男。

次こそは勝利をつかむため、ともに活動した川上と新規事業の運営中

ブログリレー第10回 理想と現実の狭間で

みなさんこんにちは。


今回からResearchable事業部に代わり、NoButs事業部の川上がお送り致します。


(稚拙な文章はさることながら、はてなブログの使い方がわからず太字や赤字などの工夫が全くない為、読みづらいかもしれません。大変申し訳ございません。)




私たちNoButs事業部はこの一年間を通して

最も収益を上げたチームでありながら、最も理想と現実とのギャップに悩まされたチームだった、と自負しております。


この一年間、事業運営をしてきた中で反省すべき点はいくつもありますが、その中でも

私はミッション・事業案・チームマネジメントの3つの観点から理想と現実について、その振り返りをさせて頂きます。



まず始めに、ミッションに関する理想と現実について。


ミッションとは何のためにチームとして集まり、事業を運営していくかの判断基準・使命の事を指します。


REALに携わる方であれば授業で既にご存知だと思いますが、本来ミッションが目的であり、運営する事業は目的を達成する為の手段に過ぎません。


ですから当然ミッションは事業を考える前のチーム結成時(もしくは前)に決めるのが理想でした。


しかし現実では、個人が考えた事業に対して

いいと判断したところに人が集まり、チームは結成され、そして結成後に事業に合わせたミッションを考える事になりました。


つまり順序が逆だったのです。


(これはチーム決めを行う授業の特性上致し方ない事であったのは重々承知してますが、事業起点ではなくミッション起点で社長決め・チーム決めを行うという方法であればあるいは結果は変わっていたのかもしれません)


これがNoButsで起こった最初の理想と現実のギャップです。



ミッションの後付けというのは大事な場面で大きく響いてきます。


それが次の問題、事業案の理想と現実に繋がります。


最初期は、アイデアを持つ学生起業家と、それに共感したスキルを持つ学生エンジニアがチームを結成し、アイデアを実現。そのアイデアで得た収益の一部を運営が手数料として貰ったり、実現した事業を企業に売却する際の手数料を貰ったり、企業による学生の引き抜きが発生する際は斡旋料を貰う、というビジネスモデルでした。


しかしこれはうまくいきませんでした。


学生起業家がエンジニアに求める開発能力は非常に高く、エンジニアはその期待に応えるだけのスキルを保持していなかったのです。


チームが結成されないという事は事業が生まれない訳ですから、個人のスキルもわからないため、企業からのお金も出ません。


一見すると学生の起業家とエンジニアによるアイデア創出システムは理想的でした。

(REALの事業形態をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません)


ただ現実は、誰のニーズも叶わず事業として成り立たなかったのです。



多くの皆さんはBIDや起業の技術、その他ビジネスコンテストなどでアイデア創出の場面を経験した事があると思います。


そこで出る「これあったら面白いよね!欲しいよね!」というだけのアイデアはまだその段階ではビジネスではありません。ビジネスとはそこに対して金銭的対価を払う事で成り立つ事象であり、面白いし欲しいけどお金は出さない、というものは全く持って意味を成さないのです。


シビアに、ただひたすらにどうしたらお金が出るかという事を追究するのがビジネスなのですから、当然このままではビジネスとして継続できません。そこでチーム内で、考えた案を捨てるかどうかという話し合いが始まりました(ご存知でしょうが事業を捨てる事をピボットと言います)。


面白いと思って始めた事業は全く誰の役にも立たずに捨てなければならない。


これが事業案の理想と現実です。



さて、今までやってきた事業が白紙に戻る事になっても、ここで明確なミッションがあればチームとして揺らがず、迅速に次の事業に移れるはずでした。

ミッションとは事業運営で共通する目的なのですから。



ですが、私たちにはそのようなミッションはありません。

事業ありきのミッションだったのです。



その結果、ここで事業を捨てず打開策を模索すべきだという人たちと、新規事業に早急に移るべきだという人で対立が起こりました。


ミッションを通して同じ方向を向いていなかった事が、チームのあり方を変えてしまったのです。


ミッションがいかに重要なものであったか、最早言うまでもありません。


この時点で既に、チームとしての統一感は損なわれていました。



最後に、チームマネジメントの理想と現実について話したいと思います。


事業の続行の是非で生まれた対立によって、メンバー間では暗黙の不満が生まれていました。


当時、代表の武田と私は、現事業に対する成長性の無さを感じ、新規事業に移るべきだと考えていました。


いつまで経っても平行線で結論が出ない事業の進退に関する議論は、収益化はおろか、チームとしての活動も止まってしまうような状況を招いていました。


そこで武田と私は代案を考え、その事業であれば収益化は前事業に比べて有望で、ユーザーも多いはずだと、ある程度二人で協議した後に半決定事項的な状態で他のメンバーに共有したのです。


当時は迅速に次の行動に進めるためにと最善を尽くしたつもりでしたが、これは他のメンバーを鑑みない、やってはいけない行為でした。


進まない議題であったとしても投げ出さず、(あるいはここでミッションを再定義して)全員が同じ方向を向いて結論を導くことが理想だったのに、チームの中で行動にずれが生じてしまったのです。


それ以降、各メンバーの仕事のスピードが落ちた事は誰の目にも明らかでした。


今振り返ってみると、メンバーの信頼を失ったあの時点で既にチームは崩壊していたのです。



REALで前期の活動が終了した時、私はメンバーの中の2人からチームを抜けたいとの旨を伝えられました。


残るメンバーも卒業による脱退でしたが、いずれにしても新規事業への移行には否定的であったか静観していた事に疑いの余地はありません。恐らく卒業という区切りがなかったとしても、このタイミングで抜けていたと思います。



これが、チームマネジメントの理想と現実です。



実はこの後にも新規メンバーの加入・脱退、

ピボットを始めいくつも問題に直面するのですが、その辺りは明日、武田が書いてくれる事に期待して私はそろそろ総括に移りたいと思います。(まとまりのない文章でただただ申し訳ありません、、)



ここまでで私は、ミッション・事業案・チームマネジメントの観点から理想の行動、そして現実について述べてきました。


ですが、私からは皆さんに向けて何かアドバイスというものはありません。


私たちの事業が思い通りにいかなかったのはもちろんですが、こうするべきだというアドバイスはまだこれから始める段階では現実味がないものだと思うからです。


「失敗して気づく」ことの大切さは体験してみて初めて気づくものです。

その意味で、REALに参加出来た事は大変自分にとって貴重なものだったと思います。



でも、もしどこかのタイミングで「ああ、そういえば昔あんなブログあったっけな」とふと頭に思い浮かんで下されば何か気づきが得られるかもしれませんね。



最後までどこか曖昧な文章になってしまい、自分の能力不足を痛感させられますが、ここまで読んで下さった皆様に感謝の意を述べると共に、益々のご活躍をお祈り申し上げまして、私のブログは締めさせて頂きたいと思います。



ありがとうございました。






早稲田大学商学部3年

川上竜馬


REALで共に活動した武田と新規事業の運営中(…というと今まで書いてきた事が怖くなりますね笑)



ブログリレー第9回 起業という言葉の罠

こんにちは、今回はResearchable事業部の営業担当こと、須長がお送りします。

 

起業についてのテクニカルな話や深くタメになる話はこの記事以前に他のメンバーが素晴らしい記事を書いてくださっているので、今回は普通の大学生である僕が起業というものに取り組んでみて、実際に事業部として活動する前と後で起業に対してのイメージにどのような変化があったのかについて書いていきたいと思います。


僕は現在早稲田大学商学部の学部4年で、かれこれ大学生活を4年送ってきました。

そんな中、大学生あるあるだなと思ったことが、少し意識の高い授業を受けたのか、高校の頃の友人が実際に起業したのか、きっかけは人それぞれだとは思いますが多くの大学生がある日を境に突然「あ〜起業したいな。」と言い出すことですね。(※症状の発生には個人差があります。)

 

何を隠そう僕自身もその典型的なパターンで、なんとなく昔から飲食店を将来やりたい!とは思っていたものの、明確に起業起業言い出したのは大学に入ってからのことでした。多分そこそこイキってたんじゃないかなと思います。

 

勿論その意識の高さを持つことは全く悪いことではなく、そういった意識の高さを持たなければ今回この”実践起業インターンREAL”に参加することはなかったと思いますし、Researchable事業部の仲間達にも出逢うことはなかったと思うので、過去の自分に感謝ですね。

 

ただ、今回Researchable事業部での活動を通しみた上で、「将来あなたは起業したいと思いますか?」と質問された時、以前のように即答で「YES」、と答えることは難しいだろうなと感じています。そこで、なぜ以前はいけしゃあしゃあと起業起業言っていた僕が、そう感じてしまうまでに至ったのか、今回Researchable事業部としての活動内容を絡めながら簡潔に書いていこうと思います。(主に僕と似たようなタイプの人向けに(笑))

 

今回僕達の事業部は「研究者がより研究に専念できるような社会」をミッションとして研究者を支援する様々なサービスを提案してきたのですが、最初の売上がたつまでに多くの時間と労力を要しました。

 

まず、顧客にそもそも会うまで時間かかりすぎ問題。

 

研究者を支援するサービスであるため、まずは研究周りの困りごとが深く、且つお金を出すことのできる研究室を持っている大学教授や、そこの助教授や助手に会い、サービスを提案しなければなりません。

そこで各研究室の教授宛に一斉にメールを送るのですが、一向に返事がくる気配はありません。返事がきたとしても、時間がないと一蹴されてしまうのが関の山でした。そこでメール以外の方法、実際にはFAXやインタビュー依頼書をポスト投函、また、いわゆる飛び込み営業を行なってアプローチしたところ、少しづつ研究者に会う機会が出来てきました。この研究者に会うまでのチャンスを掴むためのプロセスを悠に数ヶ月も行なっていました。

 

起業とイメージした時に、自分達の考えた製品やサービスを顧客にガンガン提案して買っていただく、という華やかな絵を思い浮かべる人がいるかと思います。

 

しかし、実際はそうではありませんでした。本当に地道で泥臭い作業を行い、そしていつかくるであろう顧客にサービスを提案できるチャンスがくるまで、ひたすらアポどりを行っていました。いかに心折れず、継続的に動き続けられかが重要かを痛感しました。

 

ドキュメント系作るの地味に大変問題。

 

さあ、ようやく研究者に会えるかもしれない!しかし実際にサービスを買っていただく、つまり契約をしていただくには、契約書類や申込書の作成といった作業を同時に進めなければいけません。幸い、これらはネットにあるものをある程度参考にすることができるので骨組みを作るまでは比較的簡単ですが、それを次は研究者専用にアジャストするのが地味に大変でした。僕達の場合は特にメイン顧客が大学の教授であったため、大学の支出の規定にも則らなければならないし、それらを次は研究者の方々にも安心してご契約いただけるよう確かな根拠をもって説明できなければいけない。そのため大学の事務の方にお話も伺いましたし、ゼミの先生にちょろっと確認したりしました。こんな感じでその他にも提案をする以前にやっつけなければならない事務的なタスクが沢山ありました。

 

たった一つのサービスを最初の顧客に提案し、契約していただくまでに、上に書いたような地道なプロセスがその他にも数多くありました。

 

話はじめるとキリがないのでこのくらいに留めますが、結局何を伝えたいかというと、事業を起ちあげるということは、決して僕が当初イメージしていた華やかなものではなく、果てしなく地味な作業の連続だったということです。

 

今は学生という身分なので喜んで今回の事業に取り組めましたが、仮に僕がキャリアの半ばで就職した会社を辞める決断をして、1から、いや厳密には0から同じことをできるかと言われたら、まだその勇気と自信はないかもしれません。そういった意味で起業というものは凄く魅力的なものである反面、とても恐ろしいものであるということも現実としてあると実感しました。

 

勿論起業というものをネガキャンしてる訳でもなく、僕自身ももう一度とはいわず何回もチャレンジしてみたいものだとは思っておりますが、ただ当初の起業してみたいという気持ちを持っていたころと比べ、起業に対する印象が実際に経験してみたことで大きく変わったのだ、というお話でした。

 

僕のように学生の方で、なんとなく将来のキャリアとして起業という選択肢を考えているそこのあなた、是非一度”実践起業インターンREAL”に参加することをオススメします!百聞は一見にしかず、実際に起業というものを経験してみて、起業の面白いところも、難しいところも肌感覚で味わってみて、「将来あなたは起業したいですか?」と問われた時に、自信を持って「YES」と答えられるようになる人が増えることを、願っています。入りはなんとなく起業したい!という気持ちでもなんら問題ありません。

 

まあ偉そうに色々やりました感出てますけど、実際今回の活動において僕自身ができたことは本当に微々たることだと思っていて、他のメンバーに頼ってばかりでした。

本当はジョークを交えながらResearchable事業部のメンバーをベタ褒めする回にしようと思っていたのですが、たまにはそれっぽいことを書きたくなっちゃったのと、書きすぎると野田さんに長いと言われてしまいそうなので、また書かせていただける機会があれば、その時まで取っておきます(笑)

 

最後に、今回の活動をサポートして下さった関係者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。一期生としてREALに参加できたこと、きっと何かの巡り合わせだと信じておりますので、今後の須長にご期待下さい。

 

Writer:須長 悟隆(すなが さとる)

早稲田大学商学部、学部4年

趣味は飲み歩き、”居酒屋コミュニティ”に関心あり

 

 

ブログリレー第8回 大学生としての起業とは

 今回のResearchable事業部の3回目は前回の足立に引き続いて近藤が担当させていただきます。

 

 今回は自分が大学院に進学する予定であるということもあり、大学生として起業に挑戦してみて良かったなと思った事、大学生活のうちで起業を経験することのメリットについて中心に書いていきたいと思います。

 

 

 一つ目は大学でのつながりを利用できることがメリットだなと感じました。商品一つ売るにしても、大学であればたくさんの人、たくさんの属性の方がいらっしゃいます。まずやってみること、動いてみることをするには最適な環境であると思います。

 

 僕らが対象としていた研究者、学生、事務仕事をされている方、企業の方、など多くの人に、コンタクトを取り、営業活動や商品に対するフィードバックをしていただくことができます。また、学生であるという身分を活用すれば、他大学や一般の企業の方々にもインタビューを比較的簡単に行えるというのは非常にやりやすい部分ではあるなと思いました。

 

 実際、バイオベンチャーの方に話を伺う際や他大学の研究室に商品を提案するに非常に役に立ったなと感じたところでしたし、もっと早くからこれらの環境をうまく利用できたら成功できただろうなと思いました。

 

 

 もう一つは大学での研究や学び以外に起業という両輪をもつことが僕の場合はどちらにもいい影響を及ぼし、相乗効果を生んでいたなと思いました。

 

 大学生である以上、単位を取るために授業に出たり、自分であればゼミに参加し研究するための時間があったりします。その限られた時間の中で起業に時間を使うのは決して楽なことではないかもしれません。

 しかし一方で普段自分が大学で学んでいる経営学に関しての知識をより実践的な場所で学び、活用できるいい機会になったなと感じました。

 

 自分はよく身の回りの方から起業と論文の書き方、仮説検証のやり方は同じだよと言われるのですがそれを改めて実感いたしました。

 

 以上が僕がREALを1年間やってきて思ったことです。僕みたいに普段机に向かって勉強している人にこそ是非大学生のうちに企業を経験して欲しいなと思います。

 

もしご質問等ありましたら、ご連絡いただければ幸いです。

 

Writer:近藤祐大

商学部4年 経営学のゼミに所属している。

ブログリレー第7回 柔軟で且つ強固な軸を持つこと

Researchable事業部の足立です。

ブログリレー、真崎に引き続いて書いていきます。

 

このブログリレーでは1年を通して参加してきたREALの中で学びになってことを主軸に書いていくのですが、学びになったこと...

たくさんありますが、今回は『柔軟で且つ強固な軸を持つこと』について書いていこうと思います。

 

まず初めに、Researchable事業部は研究者を対象に、研究者がより研究に専念できるような社会を目指すをミッションにビジネスを仕掛けている事業部です。

 

(REAL開始当初に書いた私たちの事業部の紹介ブログ記事がこちらです!)

intern-real.hatenablog.com

 

過去の記事にもあるように、私たちの事業部の発足のはじまりは私自身が感じていた研究者の周りを取り囲む研究環境への問題意識でした。

研究者を対象にするというのは誰がどう考えてもとてもニッチな領域なのですが、そんなニッチな分野で事業を進めていくとなった時にここがとてもよかったな、と思うのが代表である自分自身が『強い軸を持っていたこと』です。

 

父親の研究者としての生活を間近で見ていたこと、自分自身が博士課程の学生として日々研究に打ち込む中で見えてきた違和感など、これまでに自分が経験してきた様々な事柄から私自身の人生のミッションとして研究者が研究に専念できるようにサポートをしていきたいという想いをずっと変わらずに持っていて、その軸はブレさせることなく私の中にあります。

 

私がこの実践起業インターンREALに参加しようと思ったのは、アカデミアというニッチな分野で何かを起こしたいとした時に一緒に進めていける仲間が欲しかったからという理由からでした。

この事業を進める上で集まってくれた私を除くメンバーの3名は商学部所属でいわゆる研究者とは無縁の生活をREALが始まるまでしていましたが、この事業にジョインしてくれたのは私の想いに共感し、面白さを感じてくれたからでした。

このことから思うに、ニッチな分野で事業を起こそうとした時には、事業を起こそうとする代表者の強い意志・軸は必須条件なんだなということです。

REALが始まった当初は、研究者の研究環境を変えなちゃいけない!というは私の想いでしたが、事業を進めていく中で他のメンバーの言葉に本人の想いとして研究者を取り巻く環境を変えねばならない、という意志を感じるようになり想いが繋がった気がしてとても嬉しかったのを覚えています。

 

 

と、ここまでは強い軸を持つことの大切さを書いてきましたが、この軸は強いだけではいけないと思うのです。強さと同時に柔軟さが必要だと思うのです。

 

私たちの事業部では当初立てていた事業案から1年の間で幾度も幾度も事業案を変更しました。

それというのも、ミッションを達成するために最適と思われるものを研究者にヒアリングして探しながら良いと思ったものは事業案に起こし、研究者にアタックするというのを繰り返してきたからです。

中間報告などで「事業案が変わりました」と報告すると毎回のように他のチームから「なんでそんなに事業案を変更していくのにチームメンバーが離脱しないの?」という質問を受けていました。

当時もそう答えていましたが、今でも思うのは、「研究者が研究に専念することができる社会を目指す」という強い軸をチーム全員で共有している一方で、その手段は選ばない(研究環境をより良くできるのであればなんでもやる)という柔軟さがあったからではないかなと思うのです。

きっと、「理系研究者じゃないと対象じゃない」とか「実験に使える時間を増やす方針にしか行動しない」とか何かに固執して事業を進めようとしていたらこうはならなかったのではないかなと思います。

 

以上をまとめると、「これがしたい、こうしたい」という強い想い・軸を持っている一方でそれを叶える手段は狭めないというのが大切だということになります。

 

この1年のREALを通して、幾つもの事業案が出てきましたがきっと私一人でやろうとしていたら出てこなかったであろう案がいくつもあります。

一緒に事業を進めてきたメンバーの3人には本当に頭が下がる思いです。一緒に活動してくれてありがとう。
また、このようなニッチな分野で事業を起こそうとする私たちを叱咤激励し、サポートしてくださった野田さんには本当に感謝でいっぱいです。1年間ありがとうございました。

 

最後になりますが、あともう1点だけ残しておきたいことがあるのでおまけに少しだけ。

運営の中で自分の至らぬ点はものすごく多くて、反省すべき点はたくさんあるのですがその中でも最大の反省点は『利益を上げることに対して執着を持てなかったこと』だと思っています。

言い訳のようになってしまいますが、研究者が研究に専念するためのサポートがしたいという想いが強すぎたことから「研究者のためになればそれでいい」という考えが私の中にありました。

そのため、売り上げをあげる(確保する)ことよりも研究者のサポートをすることの方に目がいってしまい、ビジネスをするというよりもボランティアの方が感覚的に近かったような気がしています。

もしも、対研究者ビジネスがお金になりやすい領域であったなら問題なかったのかもしれませんが、アカデミック業界は普通経済と少し変わったお金の流れ方をする場所だったためお金の流れを掴むのに時間がかかり、私たちにとって十分な儲けになる場所を見つけられず苦戦することになってしまったと認識しています。

初めから私に「利益をあげることへの執着」がしっかりとあったならば結果はかなり変わっただろうなと今では思っているので、今後事業を進める方(特に代表・リーダーという立場で進める方)にはお金・売り上げへの執着心を持つことを激しくお勧めします。

 

長々となりましたが、私からは以上です。

私が学んだことが今後REALで事業を起こす方、REALでなくても事を起こそうとする方の何かの助けになりますと幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

 

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Writer: 足立ちひろ

早稲田大学先進理工学研究科生命医科学専攻博士課程2年

専門は神経生理学、細胞レベルの基礎研究を行なっている一方で研究者が研究に専念することができる環境作りもしていきたいヒト

ブログリレー第6回 社長じゃない人の仕事ってなんだろう

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ブログリレー第6回目からはVLEAP.さんにかわり、Researchable事業部が「自分たちの学び」について説明させていただきます。

私たちResearchable事業部の1回目は、真崎が担当いたします。

 

私はResearchableで副代表という役割を担っていました。

副代表として私は、

1社長の補佐

2仕事全体の大まかな把握

3自分自身のタスク(ブログ記事・広報)

の3つの仕事をしており、仕事量がみんなより多いわけではないですが、幅広い仕事を担当しました。

その経験を活かし、

社長以外のメンバーはどのような意識で仕事をするのがいいんだろう

というテーマについて、私が考えていたことを今からREALに取り組まれるみなさんに紹介します。

 

正直、、、かなり長くなってしまいました。本当にすいません!!!

参考になりそうな部分だけ見ていただけたら幸いです。

1ミッションに戻って考える~考えるタイミングって減っていきますよね~

REALに今から参加される皆さん(それ以外の方はごめんなさい)は、今までのブログリレー記事をご覧になりましたか?

そこでの学びとして「まずやってみる、動いてみるということが大事(案ずるより産むが易し)」ということを皆書かれていたと思います。私もREALをしていて、考えすぎす動くことがまずは大事ということを痛感しました。

 

ですが、ここで今回とりあげるのは「動いた後に、行動を振り返る」ことについてです。

動くことの大切さを痛感し、積極的に行動するようになっていくと、その反面考える時間を失っている自分に気づくときがきます。日々のタスクに追われて大変なことになって、今自分がどこにいるか行方不明。そんなことにもなりかねません(偉そうに言ってますが、私もなりました!)。

 

そんな時にはミッションに戻ることが大切です。私たちの存在意義・ゴールを再確認することは、自分の行動を反省すること、そしてこれからの指針を立てることに役立ちます。

(Researchable事業部は提供する商品・サービスをなんども変更していますが、それがためらいなくできたのは商品は変わっても、ミッションに照らせば自分たちの行動が間違ってないと信じられたからです)

 

さて、ここからが重要です。

社長でない皆さんはどれだけミッションに共感していますか?

 

少し質問をさせてください。

Q1 あなたが提供する商品・サービスの顧客は誰ですか?あなたの知り合いの中で具体的な人物を思い浮かべてください。

Q2 その顧客にあなた自身は含まれますか?含まれないとしたら、あなたはどのようにして顧客の困りごとに共感できますか?

いかがでしょうか、、、、これらはミッションに反映されるであろう内容「顧客のかかえる問題・求めるもの」への共感度合い。いわばあなたがどれだけミッションを自分の問題として捉えられているかを知るヒントになります。

 

白状しますとREALがはじまって1ヶ月たった時点では、どちらの質問にも答えられませんでした。

Researchable事業部の顧客は「雑務に悩まされる理系研究者」です。実際に研究者をしている社長以外のメンバーは全員商学部で、理系研究者の知り合いもいない状態。当然、彼らの困りごとに対しても実感をともなうような理解はありません。

 

この状態では、迷った時にミッションに立ち戻ることはもちろん、自分がなぜこのチームで仕事をするのかにも答えられていない状態です。(お客様にも信用されません、、、、)

 

今ではミッションへの共感を高めるために2つのことが必要だと私は思ってます。

a顧客と話す(近づく)

bチームメンバーと話す

 

a顧客と話す

当然ですね。顧客と会って話すことが理解の近道です。

話すうちにお客様の悩みで自分が共感できる部分を見つけることができれば、自分の問題としてミッションを読み上げることができるようになるはずです。

 

bチームメンバーと話す

ミッションへの理解を深めるもう一つの方法はより単純です。

チームメンバーのだれかや社長と2週間に一回は一緒に食事とかしたらいいと思います!!!!

あ、いえ、、本気ですよ?

 

食事かどうかはともかく、チームメンバーと時間を共有することはとても大切です。ミッションや仕事への考え方をチーム内で共有し、お互いにチューニングすることができるからです。これをしないとチームが別々の方向を向いてしまうことになります。

 

ですからチームと共有する時間を増やすこと。できれば、決められた授業時間以外での共有も増やしましょう。より自然と本音が聞けるようになります。でかいコストだなぁと思われるかもしれませんが、それ以上のリターンを保証しますよ。なかなかつくれない考えるタイミングをチームでつくるいい機会でもあります。

 

「そこまでできないよ!」という方は、せめてミーティングのミッション(クレド)読み上げの時間やエピソードを話す時間を大切にしてくださいね。

 

さてチームの話がでてきました。次の章はチームについてお話しさせていただこうと思います。

2社長以外に責任はない?〜Lineってすぐ返すの面倒じゃないですか?〜

皆さんが仕事でとても苦しいときに、それでも仕事を続ける原動力ってなんですか?

私の場合は「このメンバーとなら、仕事を続けるのもしょうがないか」と思う諦めの気持ち(笑)。かっこつければ信頼感がおおきかったような気がします。

ここではそのチームの信頼と責任について書こうと思います。

 

またもや質問をさせていただくのですが

Q1 チームのグループラインに社長から「次の中間発表のプレゼンですがこの部分を変更しようとおもいます。変えてもいいと思いますか?変更する場合は明日の授業までにBBGの人に相談しようとおもうので、他にもアイデアがある人は教えてください。」と割と重要そうな案件について意見をもとめるラインがきました。あなたはどれだけ早くこのラインに返信しますか?

(ちなみに、私だったら「面倒だな、未読無視したいな。とりあえず今は電車内だし、帰って心にゆとりできてから返信したい。それに誰かが先に返信してからそのあとに意見言った方が楽だな」とか思っちゃいます。。)

Q2 あなたは営業担当です。今月は3件契約をとらなければいけない予定ですが、1件もとれていません。その原因はあなたにだけあるわけではありません。アポをメールでとってくる担当の人が今月ほとんどメール送信をしていないのです。契約どころか顧客に会えないのは当然です。

さてこの状況はだれの責任でしょうか?

 

Q2の方から先に話していきましょう。誰の責任だと考えたでしょうか?

「メールを送ってない担当の責任」

それとも

「メールを送っていない担当も悪いけど、その現状がわかっていながら放置していた自分の責任でもある」

でしょうか。

私の考えはどちらとも違います。全て社長の責任です

なぜならば責任をとることも社長の仕事だからです。

会社の外側からしたら、当然「社長の責任」だと思うでしょうし、なにより社長自身がそのように考えるはずです。

 

皆さんの何かの仕事が予定通りに進んでいないとき、BBGのサポート役の方はそれが誰の担当なのか、どのような状況なのか考慮してくれると思います。でも本来はそんなこと関係ないんです。あなたの仕事、メール送信者の仕事、どちらの責任も社長がとります。

 

社長はともすると、とっても孤独です。会社の外部に対しては責任を場合によってはひとりで背負い、重要なことがらに対して最終的な決断は自分でするしかありません

Q1の状況に関しても、社長は最終的に自分できめないといけない。だから皆の意見がこないのは相当不安に感じるはずです。

 

そのような社長(リーダー)をどのようにメンバーがサポートできるかは、小さな組織では特に重要だと私は考えています。それにはチームの信頼関係が不可欠です。そしてその信頼関係は抽象的な理論ではなく、「どれだけ早くラインに返信するか。一緒に考える姿勢を見せるか」といった1つ1つの具体的な行動でしか築けないということを忘れないでいただければと思います。

 

ちなみに前述したように「返信面倒。。」と考えてしまう私ですが、それでもできるだけ早く(最悪、「今は返信できないのであとで今日中に返信します」ということだけでも)返信することを心がけました。

その方法として、はじめは「チームメンバーにちゃんとした人間だと思われたい!」というみっともない欲望を利用しつつ行動していた気がします(笑)

最初は自分の欲望などを飼いならしつつ行動するのも手です。後にそれが本当の信頼や習慣につながっていけばいいのではないでしょうか。

 

3商品に自信を持つことの難しさ〜知り合いに商品を売るのって怖いですよね。。〜 

次は商品・サービスを販売する話をさせてください。社長以外の人間が一番恐怖を感じるタイミングがあるとしたら、商品を売るために営業をするときでしょう。私たちも顧客に相対する際のメンタルブロックはかなり大きかったので、いまからREALをされる方の中で苦手な方がいらっしゃれば参考にしてください。(逆にすでに営業などをたくさんされていて、自信がある方は読む必要がありません。)

 

早速質問です。

自社の商品についてインタビューするため学生に大量にアポとりのメールを送って、その中からアーリーアダプター(初期の段階で商品に興味のある顧客)を探すことが、ミーティングで決まりました。

Q1そのミーティングの最中、あなたは自分の知り合いに顧客に該当しそうな人がいることに気づきます。自分と同じサークルの後輩がまさに顧客像に合致していたのです。意見をきくという点において、メールを送るより知り合いをあたる方が間違いなく早いです。あなたはそこで「自分がその後輩に商品を紹介する(紹介した上で売る)」ことを皆に提案できますか?

Q2 あなたは後輩に自分たちのやっていることを説明し、商品を紹介することにしました。さてその商品をどれくらいの値段で紹介しますか?それともそもそも(感触をさぐる目的などで)無料で提供しようとおもうでしょうか?

 

Q1の質問の意図は、初期の段階で営業の方が陥るかもしれない問題。「商品に自信が持てなくて、お客様に提案ができない。」という状況を想像してほしかったからです。

皆さんがこれからお客様に買っていただく商品は大企業から買い取ったものではなく、「自分たちで考えた」商品です。初期の段階では当然購入者が品質のことを気にするのではないかとあなたは懸念します。そのような段階であなたの大切な人間関係をつかってまで商品をうるのか。そのような不安はあって当然でしょう。

 

そのような不安を完全に解消はできないかもしれませんが、初期の段階で商品に自信をもつためのヒントをいくつか示せればと思います。

①お客様の言い訳をシュミレーションする

②お客様が、その問題を解決できていない理由を考える

③ミッションを「買って」くださるお客様もいる

 

①授業でもやったと思いますが、お客様の言い訳を想像しておいて、それにどのように答えるかをシュミレーションしておくことは重要です。はじめはなかなか想像しにくいですが、会うお客様が増えるたびに強力な言い訳リストができ、自信につながります。

 

②言い訳の中で、Researchableが一番多く直面した言い訳について参考になるかもしれないのでお話しします。それは「そのサービスはやろうと思えば自分でもできるのでは?」というものです。

Researchableは理系の研究者の実験手順や手技などを動画化するサービスを行なっていました。そこで研究者から「動画なら自分たちでもとれる」と言われていまうことが何回かありました。確かに、、、とも思っちゃいますね。。。

でも考えてみるとおかしな話です。商品の内容には利便性を感じていて、自分でできるのに、なぜしないのでしょうか?

結論としては研究者の場合は忙しくてとてもじゃないが、自分でできないことが理由でした。

結局、お客様が現時点で解決しておらず、自分たちができることなら価値があります。買っていただける可能性があります

私たちの場合は「重要だが時間がなくて手が出せない手技を保存するという作業を私たちが代行する。時間を購入していただく。」ということで研究者の方に納得していただけました。

 

③そもそも初期のお客様はクオリティを求めてお金を支払ってくれるかたばかりではありません。皆さんのミッションに共感し、問題解決の協力者としてお金を支払っていただけることもあります。特に自分の知人などに説明する場合はそうですが、商品の内容ばかりでなく、自分たちの問題意識・ミッションも説明することで共感いただけることもあります。

 

Q2に関しては、少額でも値段をつけることの大切さをお話ししたいと思います。

私は初期の商品に値段をつけるのが怖かったです。値段を言った途端に話をきいてくれなくなるのではという恐怖感がありました。それに対して無料で提供するという決断は気がとても楽です。ついついやってしまいがちになります。

それでも、商品に値段はつけなければならない。それをREALでは学びました。

 

まず値段をつけなければお客様に実際に需要があるのかがわかりません。買ってもらえるのかどうか、そしてその値段が高いと思われるのか、安すぎて不安と思われるのか。それらの判断をするために絶対に商品には値段をつけましょう。もしまだ商品がない段階でお客様にお話する場合も、値段をつけた上で反応を見ましょう。

 

そして、次に使っていただいた商品から有用なフィードバックをいただくためにも値段をつけることは大切です。人は何らかのコストを支払ったものに真剣になるものです。お金を払っていただくことで商品に対して評価するという気持ちがうまれます。そうでないフィードバックは、どうせ無料だからとまじめに取り組んでいただけない可能性があります。

 
おわり

以上が私がREALをしていく中で得た教訓です。正直、まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、、、、長すぎるのでさすがに自重します(笑)

 

自分の人脈を使う話(3のQ1)ではないですが、これから参加される方はこのREALの環境を活かして、BBGでサポートしてくださる方や様々な方に意見を聞いたり、遠慮なく質問してください。

ちなみに私への質問、ここに書いてあることに対する異議申し立て、単純に話したいなど(そんな奇特な方がいればですが)大歓迎です。BBGの方に連絡先を聞いてください。

ご覧いただきありがとうございました。

Writer:真崎興一郎
商学部4年 哲学が趣味 チームビルディングに興味がある