早稲田大学実践起業インターンREAL

早稲田大学とビジネスバンクグループが共同で実施する「実践起業インターンプログラム」です。

ブログリレー第10回 理想と現実の狭間で

みなさんこんにちは。


今回からResearchable事業部に代わり、NoButs事業部の川上がお送り致します。


(稚拙な文章はさることながら、はてなブログの使い方がわからず太字や赤字などの工夫が全くない為、読みづらいかもしれません。大変申し訳ございません。)




私たちNoButs事業部はこの一年間を通して

最も収益を上げたチームでありながら、最も理想と現実とのギャップに悩まされたチームだった、と自負しております。


この一年間、事業運営をしてきた中で反省すべき点はいくつもありますが、その中でも

私はミッション・事業案・チームマネジメントの3つの観点から理想と現実について、その振り返りをさせて頂きます。



まず始めに、ミッションに関する理想と現実について。


ミッションとは何のためにチームとして集まり、事業を運営していくかの判断基準・使命の事を指します。


REALに携わる方であれば授業で既にご存知だと思いますが、本来ミッションが目的であり、運営する事業は目的を達成する為の手段に過ぎません。


ですから当然ミッションは事業を考える前のチーム結成時(もしくは前)に決めるのが理想でした。


しかし現実では、個人が考えた事業に対して

いいと判断したところに人が集まり、チームは結成され、そして結成後に事業に合わせたミッションを考える事になりました。


つまり順序が逆だったのです。


(これはチーム決めを行う授業の特性上致し方ない事であったのは重々承知してますが、事業起点ではなくミッション起点で社長決め・チーム決めを行うという方法であればあるいは結果は変わっていたのかもしれません)


これがNoButsで起こった最初の理想と現実のギャップです。



ミッションの後付けというのは大事な場面で大きく響いてきます。


それが次の問題、事業案の理想と現実に繋がります。


最初期は、アイデアを持つ学生起業家と、それに共感したスキルを持つ学生エンジニアがチームを結成し、アイデアを実現。そのアイデアで得た収益の一部を運営が手数料として貰ったり、実現した事業を企業に売却する際の手数料を貰ったり、企業による学生の引き抜きが発生する際は斡旋料を貰う、というビジネスモデルでした。


しかしこれはうまくいきませんでした。


学生起業家がエンジニアに求める開発能力は非常に高く、エンジニアはその期待に応えるだけのスキルを保持していなかったのです。


チームが結成されないという事は事業が生まれない訳ですから、個人のスキルもわからないため、企業からのお金も出ません。


一見すると学生の起業家とエンジニアによるアイデア創出システムは理想的でした。

(REALの事業形態をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません)


ただ現実は、誰のニーズも叶わず事業として成り立たなかったのです。



多くの皆さんはBIDや起業の技術、その他ビジネスコンテストなどでアイデア創出の場面を経験した事があると思います。


そこで出る「これあったら面白いよね!欲しいよね!」というだけのアイデアはまだその段階ではビジネスではありません。ビジネスとはそこに対して金銭的対価を払う事で成り立つ事象であり、面白いし欲しいけどお金は出さない、というものは全く持って意味を成さないのです。


シビアに、ただひたすらにどうしたらお金が出るかという事を追究するのがビジネスなのですから、当然このままではビジネスとして継続できません。そこでチーム内で、考えた案を捨てるかどうかという話し合いが始まりました(ご存知でしょうが事業を捨てる事をピボットと言います)。


面白いと思って始めた事業は全く誰の役にも立たずに捨てなければならない。


これが事業案の理想と現実です。



さて、今までやってきた事業が白紙に戻る事になっても、ここで明確なミッションがあればチームとして揺らがず、迅速に次の事業に移れるはずでした。

ミッションとは事業運営で共通する目的なのですから。



ですが、私たちにはそのようなミッションはありません。

事業ありきのミッションだったのです。



その結果、ここで事業を捨てず打開策を模索すべきだという人たちと、新規事業に早急に移るべきだという人で対立が起こりました。


ミッションを通して同じ方向を向いていなかった事が、チームのあり方を変えてしまったのです。


ミッションがいかに重要なものであったか、最早言うまでもありません。


この時点で既に、チームとしての統一感は損なわれていました。



最後に、チームマネジメントの理想と現実について話したいと思います。


事業の続行の是非で生まれた対立によって、メンバー間では暗黙の不満が生まれていました。


当時、代表の武田と私は、現事業に対する成長性の無さを感じ、新規事業に移るべきだと考えていました。


いつまで経っても平行線で結論が出ない事業の進退に関する議論は、収益化はおろか、チームとしての活動も止まってしまうような状況を招いていました。


そこで武田と私は代案を考え、その事業であれば収益化は前事業に比べて有望で、ユーザーも多いはずだと、ある程度二人で協議した後に半決定事項的な状態で他のメンバーに共有したのです。


当時は迅速に次の行動に進めるためにと最善を尽くしたつもりでしたが、これは他のメンバーを鑑みない、やってはいけない行為でした。


進まない議題であったとしても投げ出さず、(あるいはここでミッションを再定義して)全員が同じ方向を向いて結論を導くことが理想だったのに、チームの中で行動にずれが生じてしまったのです。


それ以降、各メンバーの仕事のスピードが落ちた事は誰の目にも明らかでした。


今振り返ってみると、メンバーの信頼を失ったあの時点で既にチームは崩壊していたのです。



REALで前期の活動が終了した時、私はメンバーの中の2人からチームを抜けたいとの旨を伝えられました。


残るメンバーも卒業による脱退でしたが、いずれにしても新規事業への移行には否定的であったか静観していた事に疑いの余地はありません。恐らく卒業という区切りがなかったとしても、このタイミングで抜けていたと思います。



これが、チームマネジメントの理想と現実です。



実はこの後にも新規メンバーの加入・脱退、

ピボットを始めいくつも問題に直面するのですが、その辺りは明日、武田が書いてくれる事に期待して私はそろそろ総括に移りたいと思います。(まとまりのない文章でただただ申し訳ありません、、)



ここまでで私は、ミッション・事業案・チームマネジメントの観点から理想の行動、そして現実について述べてきました。


ですが、私からは皆さんに向けて何かアドバイスというものはありません。


私たちの事業が思い通りにいかなかったのはもちろんですが、こうするべきだというアドバイスはまだこれから始める段階では現実味がないものだと思うからです。


「失敗して気づく」ことの大切さは体験してみて初めて気づくものです。

その意味で、REALに参加出来た事は大変自分にとって貴重なものだったと思います。



でも、もしどこかのタイミングで「ああ、そういえば昔あんなブログあったっけな」とふと頭に思い浮かんで下されば何か気づきが得られるかもしれませんね。



最後までどこか曖昧な文章になってしまい、自分の能力不足を痛感させられますが、ここまで読んで下さった皆様に感謝の意を述べると共に、益々のご活躍をお祈り申し上げまして、私のブログは締めさせて頂きたいと思います。



ありがとうございました。






早稲田大学商学部3年

川上竜馬


REALで共に活動した武田と新規事業の運営中(…というと今まで書いてきた事が怖くなりますね笑)