早稲田大学実践起業インターンREAL

早稲田大学とビジネスバンクグループが共同で実施する「実践起業インターンプログラム」です。

ブログリレー第9回 起業という言葉の罠

こんにちは、今回はResearchable事業部の営業担当こと、須長がお送りします。

 

起業についてのテクニカルな話や深くタメになる話はこの記事以前に他のメンバーが素晴らしい記事を書いてくださっているので、今回は普通の大学生である僕が起業というものに取り組んでみて、実際に事業部として活動する前と後で起業に対してのイメージにどのような変化があったのかについて書いていきたいと思います。


僕は現在早稲田大学商学部の学部4年で、かれこれ大学生活を4年送ってきました。

そんな中、大学生あるあるだなと思ったことが、少し意識の高い授業を受けたのか、高校の頃の友人が実際に起業したのか、きっかけは人それぞれだとは思いますが多くの大学生がある日を境に突然「あ〜起業したいな。」と言い出すことですね。(※症状の発生には個人差があります。)

 

何を隠そう僕自身もその典型的なパターンで、なんとなく昔から飲食店を将来やりたい!とは思っていたものの、明確に起業起業言い出したのは大学に入ってからのことでした。多分そこそこイキってたんじゃないかなと思います。

 

勿論その意識の高さを持つことは全く悪いことではなく、そういった意識の高さを持たなければ今回この”実践起業インターンREAL”に参加することはなかったと思いますし、Researchable事業部の仲間達にも出逢うことはなかったと思うので、過去の自分に感謝ですね。

 

ただ、今回Researchable事業部での活動を通しみた上で、「将来あなたは起業したいと思いますか?」と質問された時、以前のように即答で「YES」、と答えることは難しいだろうなと感じています。そこで、なぜ以前はいけしゃあしゃあと起業起業言っていた僕が、そう感じてしまうまでに至ったのか、今回Researchable事業部としての活動内容を絡めながら簡潔に書いていこうと思います。(主に僕と似たようなタイプの人向けに(笑))

 

今回僕達の事業部は「研究者がより研究に専念できるような社会」をミッションとして研究者を支援する様々なサービスを提案してきたのですが、最初の売上がたつまでに多くの時間と労力を要しました。

 

まず、顧客にそもそも会うまで時間かかりすぎ問題。

 

研究者を支援するサービスであるため、まずは研究周りの困りごとが深く、且つお金を出すことのできる研究室を持っている大学教授や、そこの助教授や助手に会い、サービスを提案しなければなりません。

そこで各研究室の教授宛に一斉にメールを送るのですが、一向に返事がくる気配はありません。返事がきたとしても、時間がないと一蹴されてしまうのが関の山でした。そこでメール以外の方法、実際にはFAXやインタビュー依頼書をポスト投函、また、いわゆる飛び込み営業を行なってアプローチしたところ、少しづつ研究者に会う機会が出来てきました。この研究者に会うまでのチャンスを掴むためのプロセスを悠に数ヶ月も行なっていました。

 

起業とイメージした時に、自分達の考えた製品やサービスを顧客にガンガン提案して買っていただく、という華やかな絵を思い浮かべる人がいるかと思います。

 

しかし、実際はそうではありませんでした。本当に地道で泥臭い作業を行い、そしていつかくるであろう顧客にサービスを提案できるチャンスがくるまで、ひたすらアポどりを行っていました。いかに心折れず、継続的に動き続けられかが重要かを痛感しました。

 

ドキュメント系作るの地味に大変問題。

 

さあ、ようやく研究者に会えるかもしれない!しかし実際にサービスを買っていただく、つまり契約をしていただくには、契約書類や申込書の作成といった作業を同時に進めなければいけません。幸い、これらはネットにあるものをある程度参考にすることができるので骨組みを作るまでは比較的簡単ですが、それを次は研究者専用にアジャストするのが地味に大変でした。僕達の場合は特にメイン顧客が大学の教授であったため、大学の支出の規定にも則らなければならないし、それらを次は研究者の方々にも安心してご契約いただけるよう確かな根拠をもって説明できなければいけない。そのため大学の事務の方にお話も伺いましたし、ゼミの先生にちょろっと確認したりしました。こんな感じでその他にも提案をする以前にやっつけなければならない事務的なタスクが沢山ありました。

 

たった一つのサービスを最初の顧客に提案し、契約していただくまでに、上に書いたような地道なプロセスがその他にも数多くありました。

 

話はじめるとキリがないのでこのくらいに留めますが、結局何を伝えたいかというと、事業を起ちあげるということは、決して僕が当初イメージしていた華やかなものではなく、果てしなく地味な作業の連続だったということです。

 

今は学生という身分なので喜んで今回の事業に取り組めましたが、仮に僕がキャリアの半ばで就職した会社を辞める決断をして、1から、いや厳密には0から同じことをできるかと言われたら、まだその勇気と自信はないかもしれません。そういった意味で起業というものは凄く魅力的なものである反面、とても恐ろしいものであるということも現実としてあると実感しました。

 

勿論起業というものをネガキャンしてる訳でもなく、僕自身ももう一度とはいわず何回もチャレンジしてみたいものだとは思っておりますが、ただ当初の起業してみたいという気持ちを持っていたころと比べ、起業に対する印象が実際に経験してみたことで大きく変わったのだ、というお話でした。

 

僕のように学生の方で、なんとなく将来のキャリアとして起業という選択肢を考えているそこのあなた、是非一度”実践起業インターンREAL”に参加することをオススメします!百聞は一見にしかず、実際に起業というものを経験してみて、起業の面白いところも、難しいところも肌感覚で味わってみて、「将来あなたは起業したいですか?」と問われた時に、自信を持って「YES」と答えられるようになる人が増えることを、願っています。入りはなんとなく起業したい!という気持ちでもなんら問題ありません。

 

まあ偉そうに色々やりました感出てますけど、実際今回の活動において僕自身ができたことは本当に微々たることだと思っていて、他のメンバーに頼ってばかりでした。

本当はジョークを交えながらResearchable事業部のメンバーをベタ褒めする回にしようと思っていたのですが、たまにはそれっぽいことを書きたくなっちゃったのと、書きすぎると野田さんに長いと言われてしまいそうなので、また書かせていただける機会があれば、その時まで取っておきます(笑)

 

最後に、今回の活動をサポートして下さった関係者の皆様に、厚く御礼を申し上げます。一期生としてREALに参加できたこと、きっと何かの巡り合わせだと信じておりますので、今後の須長にご期待下さい。

 

Writer:須長 悟隆(すなが さとる)

早稲田大学商学部、学部4年

趣味は飲み歩き、”居酒屋コミュニティ”に関心あり