早稲田大学実践起業インターンREAL

早稲田大学とビジネスバンクグループが共同で実施する「実践起業インターンプログラム」です。

ブログリレー第6回 社長じゃない人の仕事ってなんだろう

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ブログリレー第6回目からはVLEAP.さんにかわり、Researchable事業部が「自分たちの学び」について説明させていただきます。

私たちResearchable事業部の1回目は、真崎が担当いたします。

 

私はResearchableで副代表という役割を担っていました。

副代表として私は、

1社長の補佐

2仕事全体の大まかな把握

3自分自身のタスク(ブログ記事・広報)

の3つの仕事をしており、仕事量がみんなより多いわけではないですが、幅広い仕事を担当しました。

その経験を活かし、

社長以外のメンバーはどのような意識で仕事をするのがいいんだろう

というテーマについて、私が考えていたことを今からREALに取り組まれるみなさんに紹介します。

 

正直、、、かなり長くなってしまいました。本当にすいません!!!

参考になりそうな部分だけ見ていただけたら幸いです。

1ミッションに戻って考える~考えるタイミングって減っていきますよね~

REALに今から参加される皆さん(それ以外の方はごめんなさい)は、今までのブログリレー記事をご覧になりましたか?

そこでの学びとして「まずやってみる、動いてみるということが大事(案ずるより産むが易し)」ということを皆書かれていたと思います。私もREALをしていて、考えすぎす動くことがまずは大事ということを痛感しました。

 

ですが、ここで今回とりあげるのは「動いた後に、行動を振り返る」ことについてです。

動くことの大切さを痛感し、積極的に行動するようになっていくと、その反面考える時間を失っている自分に気づくときがきます。日々のタスクに追われて大変なことになって、今自分がどこにいるか行方不明。そんなことにもなりかねません(偉そうに言ってますが、私もなりました!)。

 

そんな時にはミッションに戻ることが大切です。私たちの存在意義・ゴールを再確認することは、自分の行動を反省すること、そしてこれからの指針を立てることに役立ちます。

(Researchable事業部は提供する商品・サービスをなんども変更していますが、それがためらいなくできたのは商品は変わっても、ミッションに照らせば自分たちの行動が間違ってないと信じられたからです)

 

さて、ここからが重要です。

社長でない皆さんはどれだけミッションに共感していますか?

 

少し質問をさせてください。

Q1 あなたが提供する商品・サービスの顧客は誰ですか?あなたの知り合いの中で具体的な人物を思い浮かべてください。

Q2 その顧客にあなた自身は含まれますか?含まれないとしたら、あなたはどのようにして顧客の困りごとに共感できますか?

いかがでしょうか、、、、これらはミッションに反映されるであろう内容「顧客のかかえる問題・求めるもの」への共感度合い。いわばあなたがどれだけミッションを自分の問題として捉えられているかを知るヒントになります。

 

白状しますとREALがはじまって1ヶ月たった時点では、どちらの質問にも答えられませんでした。

Researchable事業部の顧客は「雑務に悩まされる理系研究者」です。実際に研究者をしている社長以外のメンバーは全員商学部で、理系研究者の知り合いもいない状態。当然、彼らの困りごとに対しても実感をともなうような理解はありません。

 

この状態では、迷った時にミッションに立ち戻ることはもちろん、自分がなぜこのチームで仕事をするのかにも答えられていない状態です。(お客様にも信用されません、、、、)

 

今ではミッションへの共感を高めるために2つのことが必要だと私は思ってます。

a顧客と話す(近づく)

bチームメンバーと話す

 

a顧客と話す

当然ですね。顧客と会って話すことが理解の近道です。

話すうちにお客様の悩みで自分が共感できる部分を見つけることができれば、自分の問題としてミッションを読み上げることができるようになるはずです。

 

bチームメンバーと話す

ミッションへの理解を深めるもう一つの方法はより単純です。

チームメンバーのだれかや社長と2週間に一回は一緒に食事とかしたらいいと思います!!!!

あ、いえ、、本気ですよ?

 

食事かどうかはともかく、チームメンバーと時間を共有することはとても大切です。ミッションや仕事への考え方をチーム内で共有し、お互いにチューニングすることができるからです。これをしないとチームが別々の方向を向いてしまうことになります。

 

ですからチームと共有する時間を増やすこと。できれば、決められた授業時間以外での共有も増やしましょう。より自然と本音が聞けるようになります。でかいコストだなぁと思われるかもしれませんが、それ以上のリターンを保証しますよ。なかなかつくれない考えるタイミングをチームでつくるいい機会でもあります。

 

「そこまでできないよ!」という方は、せめてミーティングのミッション(クレド)読み上げの時間やエピソードを話す時間を大切にしてくださいね。

 

さてチームの話がでてきました。次の章はチームについてお話しさせていただこうと思います。

2社長以外に責任はない?〜Lineってすぐ返すの面倒じゃないですか?〜

皆さんが仕事でとても苦しいときに、それでも仕事を続ける原動力ってなんですか?

私の場合は「このメンバーとなら、仕事を続けるのもしょうがないか」と思う諦めの気持ち(笑)。かっこつければ信頼感がおおきかったような気がします。

ここではそのチームの信頼と責任について書こうと思います。

 

またもや質問をさせていただくのですが

Q1 チームのグループラインに社長から「次の中間発表のプレゼンですがこの部分を変更しようとおもいます。変えてもいいと思いますか?変更する場合は明日の授業までにBBGの人に相談しようとおもうので、他にもアイデアがある人は教えてください。」と割と重要そうな案件について意見をもとめるラインがきました。あなたはどれだけ早くこのラインに返信しますか?

(ちなみに、私だったら「面倒だな、未読無視したいな。とりあえず今は電車内だし、帰って心にゆとりできてから返信したい。それに誰かが先に返信してからそのあとに意見言った方が楽だな」とか思っちゃいます。。)

Q2 あなたは営業担当です。今月は3件契約をとらなければいけない予定ですが、1件もとれていません。その原因はあなたにだけあるわけではありません。アポをメールでとってくる担当の人が今月ほとんどメール送信をしていないのです。契約どころか顧客に会えないのは当然です。

さてこの状況はだれの責任でしょうか?

 

Q2の方から先に話していきましょう。誰の責任だと考えたでしょうか?

「メールを送ってない担当の責任」

それとも

「メールを送っていない担当も悪いけど、その現状がわかっていながら放置していた自分の責任でもある」

でしょうか。

私の考えはどちらとも違います。全て社長の責任です

なぜならば責任をとることも社長の仕事だからです。

会社の外側からしたら、当然「社長の責任」だと思うでしょうし、なにより社長自身がそのように考えるはずです。

 

皆さんの何かの仕事が予定通りに進んでいないとき、BBGのサポート役の方はそれが誰の担当なのか、どのような状況なのか考慮してくれると思います。でも本来はそんなこと関係ないんです。あなたの仕事、メール送信者の仕事、どちらの責任も社長がとります。

 

社長はともすると、とっても孤独です。会社の外部に対しては責任を場合によってはひとりで背負い、重要なことがらに対して最終的な決断は自分でするしかありません

Q1の状況に関しても、社長は最終的に自分できめないといけない。だから皆の意見がこないのは相当不安に感じるはずです。

 

そのような社長(リーダー)をどのようにメンバーがサポートできるかは、小さな組織では特に重要だと私は考えています。それにはチームの信頼関係が不可欠です。そしてその信頼関係は抽象的な理論ではなく、「どれだけ早くラインに返信するか。一緒に考える姿勢を見せるか」といった1つ1つの具体的な行動でしか築けないということを忘れないでいただければと思います。

 

ちなみに前述したように「返信面倒。。」と考えてしまう私ですが、それでもできるだけ早く(最悪、「今は返信できないのであとで今日中に返信します」ということだけでも)返信することを心がけました。

その方法として、はじめは「チームメンバーにちゃんとした人間だと思われたい!」というみっともない欲望を利用しつつ行動していた気がします(笑)

最初は自分の欲望などを飼いならしつつ行動するのも手です。後にそれが本当の信頼や習慣につながっていけばいいのではないでしょうか。

 

3商品に自信を持つことの難しさ〜知り合いに商品を売るのって怖いですよね。。〜 

次は商品・サービスを販売する話をさせてください。社長以外の人間が一番恐怖を感じるタイミングがあるとしたら、商品を売るために営業をするときでしょう。私たちも顧客に相対する際のメンタルブロックはかなり大きかったので、いまからREALをされる方の中で苦手な方がいらっしゃれば参考にしてください。(逆にすでに営業などをたくさんされていて、自信がある方は読む必要がありません。)

 

早速質問です。

自社の商品についてインタビューするため学生に大量にアポとりのメールを送って、その中からアーリーアダプター(初期の段階で商品に興味のある顧客)を探すことが、ミーティングで決まりました。

Q1そのミーティングの最中、あなたは自分の知り合いに顧客に該当しそうな人がいることに気づきます。自分と同じサークルの後輩がまさに顧客像に合致していたのです。意見をきくという点において、メールを送るより知り合いをあたる方が間違いなく早いです。あなたはそこで「自分がその後輩に商品を紹介する(紹介した上で売る)」ことを皆に提案できますか?

Q2 あなたは後輩に自分たちのやっていることを説明し、商品を紹介することにしました。さてその商品をどれくらいの値段で紹介しますか?それともそもそも(感触をさぐる目的などで)無料で提供しようとおもうでしょうか?

 

Q1の質問の意図は、初期の段階で営業の方が陥るかもしれない問題。「商品に自信が持てなくて、お客様に提案ができない。」という状況を想像してほしかったからです。

皆さんがこれからお客様に買っていただく商品は大企業から買い取ったものではなく、「自分たちで考えた」商品です。初期の段階では当然購入者が品質のことを気にするのではないかとあなたは懸念します。そのような段階であなたの大切な人間関係をつかってまで商品をうるのか。そのような不安はあって当然でしょう。

 

そのような不安を完全に解消はできないかもしれませんが、初期の段階で商品に自信をもつためのヒントをいくつか示せればと思います。

①お客様の言い訳をシュミレーションする

②お客様が、その問題を解決できていない理由を考える

③ミッションを「買って」くださるお客様もいる

 

①授業でもやったと思いますが、お客様の言い訳を想像しておいて、それにどのように答えるかをシュミレーションしておくことは重要です。はじめはなかなか想像しにくいですが、会うお客様が増えるたびに強力な言い訳リストができ、自信につながります。

 

②言い訳の中で、Researchableが一番多く直面した言い訳について参考になるかもしれないのでお話しします。それは「そのサービスはやろうと思えば自分でもできるのでは?」というものです。

Researchableは理系の研究者の実験手順や手技などを動画化するサービスを行なっていました。そこで研究者から「動画なら自分たちでもとれる」と言われていまうことが何回かありました。確かに、、、とも思っちゃいますね。。。

でも考えてみるとおかしな話です。商品の内容には利便性を感じていて、自分でできるのに、なぜしないのでしょうか?

結論としては研究者の場合は忙しくてとてもじゃないが、自分でできないことが理由でした。

結局、お客様が現時点で解決しておらず、自分たちができることなら価値があります。買っていただける可能性があります

私たちの場合は「重要だが時間がなくて手が出せない手技を保存するという作業を私たちが代行する。時間を購入していただく。」ということで研究者の方に納得していただけました。

 

③そもそも初期のお客様はクオリティを求めてお金を支払ってくれるかたばかりではありません。皆さんのミッションに共感し、問題解決の協力者としてお金を支払っていただけることもあります。特に自分の知人などに説明する場合はそうですが、商品の内容ばかりでなく、自分たちの問題意識・ミッションも説明することで共感いただけることもあります。

 

Q2に関しては、少額でも値段をつけることの大切さをお話ししたいと思います。

私は初期の商品に値段をつけるのが怖かったです。値段を言った途端に話をきいてくれなくなるのではという恐怖感がありました。それに対して無料で提供するという決断は気がとても楽です。ついついやってしまいがちになります。

それでも、商品に値段はつけなければならない。それをREALでは学びました。

 

まず値段をつけなければお客様に実際に需要があるのかがわかりません。買ってもらえるのかどうか、そしてその値段が高いと思われるのか、安すぎて不安と思われるのか。それらの判断をするために絶対に商品には値段をつけましょう。もしまだ商品がない段階でお客様にお話する場合も、値段をつけた上で反応を見ましょう。

 

そして、次に使っていただいた商品から有用なフィードバックをいただくためにも値段をつけることは大切です。人は何らかのコストを支払ったものに真剣になるものです。お金を払っていただくことで商品に対して評価するという気持ちがうまれます。そうでないフィードバックは、どうせ無料だからとまじめに取り組んでいただけない可能性があります。

 
おわり

以上が私がREALをしていく中で得た教訓です。正直、まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、、、、長すぎるのでさすがに自重します(笑)

 

自分の人脈を使う話(3のQ1)ではないですが、これから参加される方はこのREALの環境を活かして、BBGでサポートしてくださる方や様々な方に意見を聞いたり、遠慮なく質問してください。

ちなみに私への質問、ここに書いてあることに対する異議申し立て、単純に話したいなど(そんな奇特な方がいればですが)大歓迎です。BBGの方に連絡先を聞いてください。

ご覧いただきありがとうございました。

Writer:真崎興一郎
商学部4年 哲学が趣味 チームビルディングに興味がある