早稲田大学実践起業インターンREAL

早稲田大学とビジネスバンクグループが共同で実施する「実践起業インターンプログラム」です。

ブログリレー第7回 柔軟で且つ強固な軸を持つこと

Researchable事業部の足立です。

ブログリレー、真崎に引き続いて書いていきます。

 

このブログリレーでは1年を通して参加してきたREALの中で学びになってことを主軸に書いていくのですが、学びになったこと...

たくさんありますが、今回は『柔軟で且つ強固な軸を持つこと』について書いていこうと思います。

 

まず初めに、Researchable事業部は研究者を対象に、研究者がより研究に専念できるような社会を目指すをミッションにビジネスを仕掛けている事業部です。

 

(REAL開始当初に書いた私たちの事業部の紹介ブログ記事がこちらです!)

intern-real.hatenablog.com

 

過去の記事にもあるように、私たちの事業部の発足のはじまりは私自身が感じていた研究者の周りを取り囲む研究環境への問題意識でした。

研究者を対象にするというのは誰がどう考えてもとてもニッチな領域なのですが、そんなニッチな分野で事業を進めていくとなった時にここがとてもよかったな、と思うのが代表である自分自身が『強い軸を持っていたこと』です。

 

父親の研究者としての生活を間近で見ていたこと、自分自身が博士課程の学生として日々研究に打ち込む中で見えてきた違和感など、これまでに自分が経験してきた様々な事柄から私自身の人生のミッションとして研究者が研究に専念できるようにサポートをしていきたいという想いをずっと変わらずに持っていて、その軸はブレさせることなく私の中にあります。

 

私がこの実践起業インターンREALに参加しようと思ったのは、アカデミアというニッチな分野で何かを起こしたいとした時に一緒に進めていける仲間が欲しかったからという理由からでした。

この事業を進める上で集まってくれた私を除くメンバーの3名は商学部所属でいわゆる研究者とは無縁の生活をREALが始まるまでしていましたが、この事業にジョインしてくれたのは私の想いに共感し、面白さを感じてくれたからでした。

このことから思うに、ニッチな分野で事業を起こそうとした時には、事業を起こそうとする代表者の強い意志・軸は必須条件なんだなということです。

REALが始まった当初は、研究者の研究環境を変えなちゃいけない!というは私の想いでしたが、事業を進めていく中で他のメンバーの言葉に本人の想いとして研究者を取り巻く環境を変えねばならない、という意志を感じるようになり想いが繋がった気がしてとても嬉しかったのを覚えています。

 

 

と、ここまでは強い軸を持つことの大切さを書いてきましたが、この軸は強いだけではいけないと思うのです。強さと同時に柔軟さが必要だと思うのです。

 

私たちの事業部では当初立てていた事業案から1年の間で幾度も幾度も事業案を変更しました。

それというのも、ミッションを達成するために最適と思われるものを研究者にヒアリングして探しながら良いと思ったものは事業案に起こし、研究者にアタックするというのを繰り返してきたからです。

中間報告などで「事業案が変わりました」と報告すると毎回のように他のチームから「なんでそんなに事業案を変更していくのにチームメンバーが離脱しないの?」という質問を受けていました。

当時もそう答えていましたが、今でも思うのは、「研究者が研究に専念することができる社会を目指す」という強い軸をチーム全員で共有している一方で、その手段は選ばない(研究環境をより良くできるのであればなんでもやる)という柔軟さがあったからではないかなと思うのです。

きっと、「理系研究者じゃないと対象じゃない」とか「実験に使える時間を増やす方針にしか行動しない」とか何かに固執して事業を進めようとしていたらこうはならなかったのではないかなと思います。

 

以上をまとめると、「これがしたい、こうしたい」という強い想い・軸を持っている一方でそれを叶える手段は狭めないというのが大切だということになります。

 

この1年のREALを通して、幾つもの事業案が出てきましたがきっと私一人でやろうとしていたら出てこなかったであろう案がいくつもあります。

一緒に事業を進めてきたメンバーの3人には本当に頭が下がる思いです。一緒に活動してくれてありがとう。
また、このようなニッチな分野で事業を起こそうとする私たちを叱咤激励し、サポートしてくださった野田さんには本当に感謝でいっぱいです。1年間ありがとうございました。

 

最後になりますが、あともう1点だけ残しておきたいことがあるのでおまけに少しだけ。

運営の中で自分の至らぬ点はものすごく多くて、反省すべき点はたくさんあるのですがその中でも最大の反省点は『利益を上げることに対して執着を持てなかったこと』だと思っています。

言い訳のようになってしまいますが、研究者が研究に専念するためのサポートがしたいという想いが強すぎたことから「研究者のためになればそれでいい」という考えが私の中にありました。

そのため、売り上げをあげる(確保する)ことよりも研究者のサポートをすることの方に目がいってしまい、ビジネスをするというよりもボランティアの方が感覚的に近かったような気がしています。

もしも、対研究者ビジネスがお金になりやすい領域であったなら問題なかったのかもしれませんが、アカデミック業界は普通経済と少し変わったお金の流れ方をする場所だったためお金の流れを掴むのに時間がかかり、私たちにとって十分な儲けになる場所を見つけられず苦戦することになってしまったと認識しています。

初めから私に「利益をあげることへの執着」がしっかりとあったならば結果はかなり変わっただろうなと今では思っているので、今後事業を進める方(特に代表・リーダーという立場で進める方)にはお金・売り上げへの執着心を持つことを激しくお勧めします。

 

長々となりましたが、私からは以上です。

私が学んだことが今後REALで事業を起こす方、REALでなくても事を起こそうとする方の何かの助けになりますと幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

 

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Writer: 足立ちひろ

早稲田大学先進理工学研究科生命医科学専攻博士課程2年

専門は神経生理学、細胞レベルの基礎研究を行なっている一方で研究者が研究に専念することができる環境作りもしていきたいヒト